2018年08月05日

WSET Diploma チャレンジ記録 Unit 1(Essay)

数年間冬眠していたワイン資格WSET Level 4 Diplomaへのチャレンジを久しぶりに再開しました。


この資格はロンドンのWSET(Wines and Spirits Education Trust) という機関が認定する
国際資格で、昨年日本で11人もの大量認定者が出たと話題になったにも関わらず、
それでもまだ日本国内には36人しか取得者がいないという、
一般人が取れるワイン関連資格の最高峰とも言われています。

(この人数は未確認情報。今年も数名合格者が出たと聞いているので
40人くらいになっているかもしれません)

wset-logo.png


4年少し前にチャレンジ宣言をした直後に福岡転勤という環境変化に翻弄され(言い訳・・)、
unit2は取得したものの、その後しばらく途切れていました。

一昨年はシニアワインエキスパート、去年はJSA SAKEディプロマ(日本酒)を取得しましたので、
チャラチャラ遊びまくっていたわけではないんですが(笑)

さて、このWSET Diploma資格、unitとしては6つ、合計で8種類の関門をパスしないと
最終合格にならないもので、私は最初の関門unit2一つ取った状態で中断しておりました。

今回、運よくunit1の2つの関門を1発で通過することができましたので、
自分の備忘録とこれからチャレンジされる方々の参考になればと思って勉強法などをご報告します。


 ご注意!:今回、文字が多くチャラい記事ではありませんので、
      Diploma受験に興味のある方以外は読み飛ばしてください。


_AM_0040merlot.jpg


1.Unit1とはどんな試験なのか?


サブタイトルには「Global business of alcoholic beverages(世界のアルコール飲料ビジネス)
となっていて、テイスティングはなく、論文(Essay)試験を2つ合格しなければなりません。

関門は2つあって、試験会場で受験するもの”Closed Book Case study”と、出されたテーマに関する
論文を書いて提出する ”Course work assignment”に分かれます。

いずれもテーマが事前にWeb上にリリースされるので、ポイントを絞って勉強できる、と言えば
簡単そうに聞こえるのですが、なかなか高い山であることは間違いありません。


(1)Closed Book Case Study(試験会場で受験するもの、以下、”Case Study” と表記)


約1か月前にWeb上にテーマ(出題のポイント)がリリースされ、試験当日はそのテーマに
関連した問題が出題されます。受験生は、1か月間そのテーマに関する勉強を進めて本番に臨みます。

試験時間は75分で、テーマに関する論述問題が3問出題されます。
解答用紙は、上部に受験番号を書く欄と、裏表に横罫の入ったA4の白紙が5−6枚配布されます。

→ 長文を書けばよいということではありませんが、3問合わせて最低5ページ以上は書く必要があると
  一般的には言われています。

(2)Coursework Assignment (自宅で論文を書いて提出するもの)

提出期限の日が決められており、その数か月前にテーマがWeb上にリリースされます。
受験生は、自宅でそのテーマに関する論文を作成して、期限までに印刷して郵送などで提出します。

→ 時間があるので長大な論文を書けばいいというわけではなく、字数制限(A4ペーパーで
  9枚くらいでした)があるのでいかに効率よくテーマについて記述するか、ということが
  評価のポイントのようです。

この形式であれば、自分で書かなくても、誰かに書いてもらうこともできてしまい、
実際に中国などではそういった不正も横行していたとの噂を耳にしましたが、そんなことをやっても
結局は自分のためになりませんし、だいたい(1) Case StudyをPassしなかったら
永遠にDiplomaにはなれないのですから、無駄だと思います。

なお、出題やテーマなどは、Diploma受験生としてWSETに登録した人だけが見ることのできる
WSET のGlobal Campus というサイトで公開されます。

(3)私が受験した今回の問題

今回は、Case study(試験会場で受験するもの)が「南アフリカのワイン業界」、
Course work assignment(提出するもの)が「コニャック」についてのテーマでした。

Case studyについては、テーマと学習のポイントが数行箇条書きで記載されます。
今回は、南アフリカ・ワイン産業の歴史について、現在までの成長の過程と特徴が比喩的な表現で
書かれていました。(ex.南アフリカは未だに、街中をライオンが歩いていると思われている、等)

そのテーマに対して本試験の時に出題された問題は以下のようなものでした。
(確認しようと思ってWSETのウェブサイトを見たところ、既に新しい6月の問題が掲載されており、
私が受験した時の問題は記憶ベースになりますが、ほぼこんな感じの問題でした)

@南アのワイン業界について歴史的にどのような過程を経て成長してきたか
A現在の世界のワインマーケットにおける南アワインのポジションと特徴
B南アのワインが更に拡販できるようになるためには何が必要と思うか

Coursework Assignmentの出題テーマについては、短く「コニャック、過去、現在、未来」でした。


wsetIMG_3232.jpg

2.勉強法

私が実践した方法が正しいとは思いませんが、「お情け」かつギリギリであっても
何とか通過できたので、間違ってはいなかったと思います。
良かったら参考にしてください。

(1)リサーチ

まずは、過去にワイン関係の勉強で使ってきたいろいろなテキストや書物(JSAの教本や
WSET Level3のテキストなど)のテーマに関連する項目ページを読み返して、全体の概略をつかむ。
同時に出題者が好みそうなトピックについては書き出しておく

出題テーマの箇条書きの中からいくつかのキーワードを抜き出して、googleで検索し、
関連サイトで役立ちそうなページを片っ端からブックマークし、主要サイトはコンテンツテキストを
コピーしてワードファイルを作成しておく。
目ぼしいサイトは片っ端から印刷する。
(これには相当時間をかけました)

(2)予想問題作成

過去問は直近のものがWSETのサイト”Global Campus” で公開されていますので、それを眺めつつ、
どんな問題が出そうか予想します。

(なお、WSETが公開するのは問題と全世界の受験生が作成した中から選ばれた「優秀答案」のみで、
WSET本部が「模範解答」を発表することはありません。そういったところが、日本の受験生には
どうもしっくりこないんですが・・)

予想問題を数問作成したら、今度はその問題に対する答案を、リサーチして貯めておいたデータを
利用して作成します。
(その答案が正しいのかどうか、全く自信はありませんが、とにかくやるしかないので)

(3)論点ブロック作成

(2)で作成した答案をそれぞれ丸暗記することは不可能なので、答案の中から主要トピックを選んで
短文にまとめ「論点ブロック」を作成しました。といっても覚える量には限界があるので、
20個くらいでしょうか。

英語ネイティブではない私は、今までの人生で語学の勉強は「とにかく構文を覚えること」で
乗り切ってきましたので、今回もとにかくひたすら「論点ブロックの暗記」に集中しました。

(4)暗記

作成した論点ブロックを通勤電車の中で何度も読んで暗記するように努めながら、
朝早く起きてそらで書き出すように反復練習しました。
(しかし、これがなかなかうまく書けない・・)

75分で5枚以上英文を書くためには、構成などを考える時間を10分取ったとしても、
概ね12分でA4ペーパー1枚書かなければならないことになりますから、考えながら書いていると
絶対に埋められません。

だから、文章の頭は考えながらでも、書き始めたら勢いでガーっと書けるくらいの癖を
つける必要がありました。
(日本語でもA4用紙に5枚書こうと思うと結構大変です)

_AM_0032koshu.jpg


(5)英語の壁

私はそれほど英語が得意ではないので、物事を覚えるのに最初から最後まで英語で通すのは厳しい。
なので、Googleの翻訳サイトにはかなりお世話になりました。

ご存知の方も多いと思いますが、念のためURLを貼っておきますのでご活用ください。

キーワードで検索したウェブサイトのポイント部分をテキストコピーして、
翻訳サイトの翻訳したい原文を入れる枠にペーストすると、
ものの2−3秒で日本語が横に表示されます。

ワインの世界は専門用語が多いので変な日本語になりますが、それでも昔の翻訳ソフトに比べたら
素晴らしい精度だと思います。

なお、注意点ではないですが、1回の翻訳の上限が英語の場合、5000ワードですから、
あまり長文を入れてもオーバーした分は翻訳してくれません。

ともかく、私は予想問題の答案を作る時も論点ブロックを作る時も、
Googleさんには本当にお世話になりました。足を向けて寝れません(笑)


3.試験本番にて

自宅で論文を書いて提出するCourse work assignment は何度も推敲する余裕があるので、
特にコメントはありませんが、構成だけには注意した方がいいと思います。
(基本的に、Diplomaを受験する方々は、少なくともLevel 3を通過している方々なので、釈迦に説法ですが)

で、試験会場で受験するCase study は、勉強も大変でしたが本番もやっぱり大変でした。
予想通り、時間との勝負になりましたし、一生懸命覚えた論点ブロックが出てこない・・・
固有名詞や年号を自信をもって書けない、といった状態になります。

直前まで記憶していたキーワードや数字が、試験官の「始めてください」の掛け声とともに、
どんどん消えていく感覚。。。自分が呆老人になったのではないかと錯覚を起こすくらいです(汗)

ちなみに、筆記用具は多分受験生の使っているボールペンの中で最もシェアが高いと言われている
「PILOTさんのフリクションペン0.7mmブルーブラック」を使っていました。
これは、なんと専用のラバー消しゴムを使うと文字が消せる優れ物で、WSET事務局でも
試験での使用を認めているそうです。

消せるボールペンという特徴に惹かれて使っていたのですが、
最初は間違いを綺麗に消して書き直していたのが、
途中から余裕がなくなって消さずに二重線を引いて書き直してました(笑)。


              

そんなこんなで、"Unit 3 に次ぐ難関" といわれているUnit 1をPassできたので
自分でも驚いていますが、この調子で残るユニットと最難関のUnit 3にチャレンジします。

今回痛感したのは、やはり覚えることは年齢が若い方が有利だということです。

Diplomaはまずベースに圧倒的な知識量が必要で、それに理論を乗っけていく必要がありますが、
歳を取るごとにベースとなる情報を記憶の中に定着化する力が厳しくなっていくように感じます。
今回、特に焦りを感じましたので、早いうちに集中してやっていこうと思います。

また節目ごとに報告します(いつになるかわかりませんが(笑)。



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posted by 煩悩爺 at 10:10| Comment(0) | ワインの勉強 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月30日

ロシア料理の老舗ロゴスキーで味わうジョージアワインと絶品ロシア料理

      〜 久しぶりにお店・グルメ情報をお届けします。 〜


爺は先日、日本ソムリエ協会主催のジョージアワインセミナーのイベントに参加して
大橋幸一MWの講義を受けて以来、ジョージアワインをちゃんと味わってみたいと
思っていたところ、漸くその機会がありましたのでご報告します。


昨今、来日外国人観光客で賑わう銀座四丁目交差点からほど近い銀座メルサビルの上に、
かつて渋谷の桜丘にあった1951年創業ロシア料理「ロゴスキー」が引っ越した
との情報を聞き、またそこでジョージアワインが飲めるとのことだったので行って来ました。


かつてはグルジアと呼ばれていたジョージアは、ソビエト連邦内の国の一つで、
ウクライナ、コーカサス地方の豊かな農業中心の国です。
ちょうど黒海とカスピ海に挟まれた地域で、コーカサス山脈の南端に位置します。

ロゴスキーもウクライナ料理が中心のロシア料理店なので、ジョージアワインの
種類は豊富です。

         店内の風景(天井のステンドグラスがなんともレトロで綺麗です)

内装.jpg


実は渋谷のあの界隈の小学校に通っていた私は、親や祖父に連れられて、
桜丘のとあるビルの上にあった同店によく通ったものでした。

もう40年以上前のことで、当時はお客さんも白人系の男性が多く、
ロシア人と思しき格好いいスーツ姿の外人さんが数人で個室に入って行くのを
よく目にしました。

当時はちょうど米ソ冷戦下の時代でしたので、あとでいろいろ聞いて、
あの格好いいロシア人たちは多分KGBのスパイ達だったのかなどと
思いを馳せたりもしました。


そして時代を現代に移すと、ロゴスキーはその後渋谷東急プラザの上のレストランフロアで
営業していましたが、東急プラザも渋谷再開発で閉館したので、現在は銀座に移って
営業を続けています。

という流れで、私にとっては5〜6年前に福岡に異動する前に渋谷東急プラザ店にお邪魔して以来
の訪問となりました。

場所を銀座に移しても店内はレトロな雰囲気が漂い、懐かしさが込み上げます。
店員さんもなんとなく見覚えのある方が数名。
メニューも以前からのものをそのまま使い続けていると見えて、「SHIBUYA」のロゴが嬉しいです。


屋号.jpg


ワインリストを見ると、フランスの著名銘柄が数種類ある以外はほぼ東欧より東の
マニアックなものばかり。
興奮します!


スパークリングワインのグラスの品揃えは2種類共に東欧、ロシア系。聞いたこともない銘柄です。
とりあえずジョージアのオールドトビリシというのを頼んでボトルも撮らせてもらいました。

オールドトリビシ.jpg

香りは柑橘系でスッキリしてリンゴっぽいニュアンスもあります。
味わいは、やや辛口で柔らかな口当たり。

シャンパーニュのような主張の強さは無く、イタリアのアスティなどにちょっと近い
優しい印象のスパークリングワインでした。
泡の印象などから瓶内二次発酵ではなくシャルマ方式で作ったものではないかと思います。

さてお料理はコースを頼んだので、ロシア料理の王道が続きます。

まずは前菜の盛り合わせ
ニシンの酢漬けをはじめ、どのポーションもしっかり手がかけられていて、美味しいです。


前菜.jpg


ロシア風水餃子の「ペリメニ」です。
構成としては、小麦粉で作った皮の中に挽肉ベースの餡が入っているものを煮た料理なので、
餃子と全く同じなのですが、仕上げにバターで和えてあったり、と味わいは全く違います。

私はこれが子供の頃から大好きで、昔は際限なく食べていましたが、
この歳になるとさすがにこのくらいの量で充分です(笑)。


ペリメニ.jpg


2人でお邪魔したので、ここでもう赤ワインに移行し、ボトルでジョージアワインの銘酒の一つ
と言われる「TAMADA MUKUZANI」を注文。
ジョージア土着品種である「サペラヴィ」種100%の赤ワインです。

ムクザニ.jpg


グルジア文字(?)のエチケットが可愛いです。

ジョージアを含むコーカサス地方はブドウの発生地とされていて
世界最古のワイン産地として確認されているとのことです。
なんと8000年前からワインを造っていたことがわかっているそうですが、
想像もつかない長い歴史ですね。。。。。

色調は画像のとおり、深みのあるダークルビー。
香りは赤系果実と黒系果実の中間でフルーツのニュアンスが強いです。
2013年とまだ若いワインでしたが、既に複雑で少しキノコのような熟成香も出ていました。

味わいは、色合いよりもタンニンが柔らかくアタックもエレガント、果実味も豊かで
アルコール由来と思われる甘味もあり、誰が飲んでも美味しいと思える印象でした。

美味しいワインです。

続いての料理は、大好物のボルシチ
牛肉でだしを取るようです。

ボルシチ.jpg


つぼ焼き
中にはキノコとチキンのクリーム煮が入っていて、ドームを破ると何とも言えぬ
ふくよかな香りが上がってきます。

つぼ焼き.jpg



ビーフストロガノフ
牛肉をデミグラスソースと生クリームで煮込んだもので、これも私のソウルフードの一つです。


ビーフストロガノフ.jpg


              サーモンのパイ包み焼

パイ包み焼き.jpg


デザートまで来ると本当にお腹がいっぱいです。
品名は聞きそびれましたが、アイスクリームとゼリーで美味しかったです。

デザート.jpg


ラストは、定番のロシア紅茶
紅茶にイチゴジャムが入っていて、ほっとする甘さです。


ロシア紅茶.jpg



想定以上のジョージアワインとロシア料理のマッチングを楽しむことができました。
これで、コストはだいたい一人8000円位でした。
こういう老舗には、今後も伝統を守っていつまでも存続していただきたいものです。

皆さまも銀座に行かれる機会があれば、有名メゾンだけではなく、是非ロシア料理と
ジョージアワインも選択肢の一つに加えていただければ嬉しいです。

ワインを楽しむというと、どうしてもフレンチやイタリアン、スペイン料理に行きがちですが、
東欧やそのほかの国々にもワインに合う料理はたくさんあります。

私もまだまだ未体験の美味しいものがたくさんありますので、今後もチャレンジを続けていきたいと思います。



中央区銀座5−7−10 EXITMELSA(旧・名鉄メルサビル) 7階
03-6274-6670



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posted by 煩悩爺 at 18:55| Comment(0) | ワインと美食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月17日

J.S.A. SAKE DIPLOMA 資格取得体験記

〜決して日本酒に浮気したわけではありませんが(笑)〜


日本ソムリエ協会(J.S.A.)が、世界に誇るべき日本の食文化の一つである
日本酒の普及を目指して「SAKE DIPLOMA (サケ・ディプロマ)」という新しい資格を創設し、
本年度(2017年度)第一回目の試験が行われましたので、受験しました。


sakedipテキスト.JPG


私は日本酒に対して特別の思い入れもないですし、かといって特に嫌いでもないので、
今までは自分で飲み物をチョイスできるときはワインを、
日本酒好きな人とご一緒するときは日本酒を、という具合に
その時の相手や状況に応じて日本酒を飲んできました。

これまで日本酒の資格というと、「日本酒唎酒師」という民間資格があって、
ちょっとかじったこともあるのですが、あくまでワインの勉強の「ついで」に
やった程度のものでした。


今回日本ソムリエ協会では、日本酒好きとしても有名な田崎真也会長の号令の下、
日本酒を体系的に理解するためのプログラムとして「SAKE DIPLOMA」を創設した
とのことですが、未確認情報ではロンドンのWSETが日本酒のコースを創設したことに対して、
日本酒のおひざ元である日本ソムリエ協会としても対抗するべきとの判断が
あったやに聞いています。

さて、日本酒のことについてほとんど素人の私ですが、
一次試験。二次試験とも通過して何とか合格することができました。

ほとんどゼロの状態から約半年で合格レベルまで持っていくことができた勉強法について、
後進の皆様に参考になれば幸いと思い、残しておくことにします。

私は、今年は初年度ということもあって受けるべきかどうか悩んだ末にエントリーしました。
いつも一緒にワインを飲んでいる友人や昨年シニアエキスパート試験を一緒に受けた仲間が
ほとんど受けることにしたことに私も背中を押され、受けることになりました。


1.一次試験

今年はとにかく初回の試験なので、傾向や難易度などは全く分からず、
ソムリエ協会でもごく僅かな幹部が試験問題の作成に携わり、
公正を期して採点も専門の機関に外注したと専らの噂です。

受験する側も、あらゆる問題に対応できるようにしておく必要があり、
「ヤマをかける」こともできにくい、なかなかタフな状況でした。

唯一の救いは、一次試験の問題はテキスト以外からは出ない、という点です。
とすれば、テキストを丸暗記すれば100%正解できるということです。

而今.JPG


(1)試験

さて、果たして一次試験本番は4択式100問、基本的なことを問われる素直な問題が
ほとんどだったと思います。

「易しかった」という声もよく耳にしました。
変化球的な「重箱の隅をつつくような」問題は出ませんでしたので、
満点を取った方もいらっしゃったのではないでしょうか。

その代わり、(当然のことですが)合格ボーダーが、この手の試験としては
かなり高くなり、噂によると82〜3点だったとのこと。

要は「基本的なことをちゃんと覚えていないと合格できない試験」だったと思います。


(2)勉強法

ほとんどの仲間は、アカデミーデュヴァン、田崎ワインサロン、自由が丘ワインスクールなど
メジャーワインスクールのどれかのSAKE DIPLOMA受験コースに行っていましたが、
私は敢えて行かず、独学でテキストを理解&暗記するように努めました。

もう頭もボケてきているので(笑)、ただ読んでいるだけでは絶対に暗記できないと思い、
テキストの要点をノートに纏めて簡易版テキストを作ることから始めました。

日本酒の勉強は、地名や言葉の意味などが日本語なので、文字を書き写すだけでも
結構頭に残るものです。

ワインの勉強を始めた頃、横文字のブドウの種類や生産地の地名が
いろいろな国の言葉だったので、呪文を暗記するような作業で
えらく苦労したことを考えれば、日本酒の勉強はだいぶ楽でした。

やはり日本人ですね(笑)。

しかし、

択一式の問題は、読んでおけば頭の中に残っているから何とかなると
油断すると痛い目に合います。

私は択一系の試験で今までの人生で嫌というほど酷い目に遭ってきているので(笑)、
できるだけ書いて覚えるようにしています。

少なくとも、専門用語の意味・定義については空で文章で書けるようになるまで
何度も練習しました。主要酒米の種類・産地・造り方のプロセスなどなど。


この手の資格試験は、飲食のプロでない我々にとっては試験に合格することも
目的の一つではありますが、勉強することによってその世界を知ることが
最大の目的だと思っていますから、多少は面倒でも試験の後も頭の中に残るような
覚え方をしたいものです。

合否は「時の運」もありますし、どうせ時間をかけて勉強をするなら
合否にかかわらず「それなりの知識が頭の中に残った」という実利を取ることが
肝要と思います。


sakebaの酒3.JPG


2.二次試験

(1)試験

二次試験は、日本酒4種類、焼酎2種類の利き酒と小論文問題でした。
利き酒試験は、いわゆるテイスティングコメントを求められる問題で、
酒母、酒米、酵母、造り方について問われました。
30分で6種類ですから、結構時間はタイトでした。

コメントは択一式でしたが、選択肢を選ぶところに「ひっかけ」があった以外は
比較的わかりやすい問題だったように思います。(少なくとも、私にはそう思えました)

「ひっかけ」とは、テイスティングコメントを選ぶ問題で選択すべき数が記載されているのですが、
問題によって肢を選択する数が違っていたことです。

そして指定されている選択数を1つでも超えてマークすると、その設問の得点は
ゼロになってしまいます。


・・・それに気が付いたのが、終了直前3分くらい前でした。

もともと時間がタイトで、やっとの思いで6つのテイスティングを終え、
マークの誤りを見直していたところでその事実に気が付き、
焦りつつマーク数をチェックし終えたところで「time!!」となりました。

幸い、数がオーバーしていなかったことだけは確認できました。


小論文試験は、20分で1つの課題についてA4用紙1枚を書き上げるというもの。
テーマは「山廃酛」「生酛」の現状と今後の将来性について自身の考えを書けというものでした。

自身の考えを書くとはいえ、キーワードの意味や現状を知らなかったらアウトです。
私は、現状について一次試験の際にしっかり覚えていたので、
とりあえず制限時間内にA4版の答案用紙を十分埋めることができました。


(2)勉強法

@利き酒

もともとあまり日本酒を飲みつけていなかった私にとって、
学校に通って教えてもらう以外の選択肢はありませんでした。

私は田崎ワインサロンの二次試験対策講座を3コマほど取って
(酒米違い、酒母違い、酵母違い)、基本的なことを教えてもらったうえで、
仲間と日本酒の種類が豊富に置いてあるお店に行って自主勉強会をやり、
お店の人に教えてもらったりしました。


田崎講座酵母違い.JPG


酒米、酒母、酵母、特定名称酒といった要素の違いによる味わいの違いなどは、
基礎知識を持ったうえで実際にある程度種類と量をたくさん飲まなければわかりません。
(ワインの時と同じです)

個人練習としては、ワインスクールの日本酒二次試験対策講座に行くと共に、
気軽に練習ができる場所として銀座や恵比寿にある「君嶋屋」さんに行きました。

店内併設カウンター(角打ちスペース)でお願いできる「対策セット」
(3種類の試験に出そうな日本酒のセットで、ブラインドで練習ができます。
自分のテイスティングが終わると解答をもらえます。)が嬉しかったです。
週替わり(多分)で出題日本酒が変わるので、何度かお世話になりました。


君嶋屋さん.jpg


あとは、スーパーや酒屋で日本酒の小瓶をたくさん買い込んできて
自宅でオープンのテイスティング練習を。

銘柄がわかる状態にして5〜8種類の日本酒を比較試飲することによって、
微妙な味わいの違いを感じ取るように心がけました。


自宅練習1.JPG


仲間との勉強会は、私は主に渋谷の日本酒専門店でやっており、
「SAKEBAグループ」さんの2店舗によく行きました。

渋谷SAKEBA」 http://sakeba.me/

5000円で料理の他に30種類の純米酒が飲み放題となるコースがあり、
酒米や酒母違いについても、超詳しい店長やスタッフにいろいろ教えてもらいました。
コース料理も美味しいです。


sakebaの酒.JPG


KURAND SAKE MARKET渋谷店http://kurand.jp/sakemarket/shibuya/

100種類の日本酒が置いてあって、3500円で時間無制限の飲み放題です。
しかも、食事やつまみは持ち込みOK、という信じられない業態でした。
渋谷店は雑居ビルの7階に入っており、1階の中華料理屋に出前を頼むこともできて、
つまみを買っていかなくても問題ありません。

入店の際に料金を支払ってグラスを貸してもらい、そのグラスを持って、
店内中央にある冷蔵ショーケースに行き、勝手に自分の好きな酒を出して注ぐスタイル
ですから、仲間数人で行って順番に問題を出し合うようにして、ブラインド対策になりました。

sakebaの酒3.JPG


A小論文

どのような問題が出るのかわからなかったので、いろいろなパターンで何問か
予想問題とその模範解答を自分で作ってみました。

ここでも、一次試験の時にやった専門用語の意味・定義を文章で覚える勉強法が役に立ちました。
ある程度主要なキーワードの定義については暗記していたので、
あとは現状や背景などを肉付けすることで対策は十分だったと思います。
実際に、本試験の時も20分でA4版の答案用紙を十分埋めることができました。


(3)受けてみたことの感想

当初はあまりモチベーションが上がらず準備にも身が入らなかったのですが、
それはただの食わず嫌いだったことに途中から気がついて、
二次試験直前はそれこそ浴びるほど日本酒漬けになって、真剣に日本酒と向き合いました。


sakebaの酒2.JPG


これまで何気なく飲んでいた日本酒は、日本人の英知ともの造りの探究心の粋を極めたもの
であることを思い知り、世界に誇るべき素晴らしい文化的財産であることが実感できました。
知識を得たことで、実際に日本酒を味わう際に漫然と「美味しい」といって飲むのでは無く、
味わいの分析や造り手の考え方や目指す方向性を考えながら飲むことができるようになりました。

ワインも同じですが、知識は味覚を進化させてくれます。

これからは少しずつでも、蔵元や杜氏の思いを感じ、敬意を払って味わうように
心掛けていきたいと思います。


総括としては、日本文化の素晴らしさの一部に触れることができただけでも、
SAKE DIPLOMAにチャレンジして良かったと思います。
肝臓は少々痛めつけましたが(笑)、思いの外楽しいチャレンジでした。

来年以降、エントリーを迷っている方には是非おススメします。

何とか最後まで楽しく続けられたのは、スロースターターだった私に
いろいろとアドバイスをくれたり、練習会に声をかけてくれた
ワイン仲間の存在が大きかったです。

仲間が居なかったら途中棄権していたかも知れず、仲間の皆さんには本当に感謝しています。
これもワインが取り持ってくれた繋がりであり、これからも大切にしていきたいと思います。


(長文にお付き合いいただき有難うございました!)



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posted by 煩悩爺 at 23:36| Comment(0) | ワインの勉強 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする