2014年09月24日

ニュージーランド 小山ワイナリーのリースリングとピノノワール


久しぶりにお気に入りのワインをご紹介します。


お気に入りと言っても、今回は普段からちょくちょく飲んでいる
ワインではなくて、先日知人に紹介されて飲む機会を得たところ、
とても良かったので是非皆様にも紹介したいと思いまして。


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私は、もともとその存在自体を知っていましたし、多分何度か
飲んだことがあるのですが、いずれも大勢参加するワイン会などでの
1杯でしたから、今回じっくり飲むのは初めてでした。

ニュージーランドのワイパラという地区で、日本人の小山さんが造る
リースリングとピノノワールです。



リースリング2013


このワイン、ブドウにパワーがあるのがはっきりと感じられます。
NZのワイパラという場所は南島カンタベリーの近くで気候は冷涼のはずですが、
このワインからは地中海のような陽気な太陽を感じます。


アルコール度数13.2%と高いにも拘らず残糖が結構感じられるということは、
果実の熟し方が半端ではないのでしょう。


土壌、サイトの選定から台木やクローンの選び方、木の仕立て方など、
多くのパラメーターを精緻に検討して畑を作り、細かいメインテナンスを
継続して行ったとしても、すべて理屈通りにならないのが農作物です。


理論とそれに裏打ちされた実践と試行錯誤、そして運が巧くかみ合うことによって
漸く素晴らしい果実が得られるものです。

我々が何気なく口にして美味しい、と感じるまでの過程には、
生産者の皆さんのたゆまぬ探究と努力が隠れていることに感謝して
味わうべきと私はいつも思っています。


このワイン、まず香りが素晴らしいです。


注いだ瞬間から、かんきつ、トロピカルフルーツ、干したアプリコット、
陽だまりの枯草、テルペン香、蜂蜜、ハーブ・・などグラスから複雑で
強く芳しいアロマが立ち上ります。恍惚の瞬間です。


旧世界のリースリングが、ほっそりした中背のストレートヘアの白人美女
だとしたら、こちらは少し日に焼けた小柄だけどグラマラス、年の頃は

20そこそこでアジア系の血が4分の1ほど入っている健康的なラテン系
女性のイメージです。


口に含んだ瞬間、リースリング特有のシャープな酸と同時にフルーティな
甘みがじんわりと広がって、懐かしく幸せな感覚に包まれます。
甘味のあるリースリングを飲むのは久しぶりだけど、美味しいです。


子供のころ、風邪をひくと母親がハニーレモン(温めたレモン果汁に蜂蜜を
溶かしたもの)を作ってくれて、それを飲むと体が温まってホッとした感覚を
思い出しました。そんな、どこか懐かしく滋味深い味わいです。


甘いけれども甘ったるくはない、酸と甘味の絶妙なハーモニーが楽しめます。


モーゼルのアルコール度数8.5%くらいの銘醸畑のものを飲んだ時にも
同じような感覚に捉われたことがありますが、でもその時はもう少し
線が細い印象を受けたような気がします。
このワインに冷涼感はあまり感じられません。


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最初に開けた時は、リースリングに合わせる定番のキッシュをつまみにして
楽しみました。

それはそれでとても楽しめましたが、多分これはもっと強い味にも
合うだろうと、残しておいて翌日、白身魚(ちょうど太刀魚の刺身が売って
いたので入手)と九州特産の刺身醤油(甘口)も試してみました。


予想通りめちゃくちゃ合います。

ついでに買ってきたバッテラ(サバの押し寿司)は甘めの寿司酢が
使ってあるので、その甘味とリースリングの残糖が何か
示し合わせたかのように合います。


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素晴らし過ぎるマリアージュ。
たっぷりとそのポテンシャルを楽しませていただきました。



 ウィリアムヴィンヤード ピノノワール 2012


次は、赤、ピノノワールです。

このワインも素晴らしいです。
でも、あまりニュージーランドっぽくないのです。


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私は、このワインを北米の名門、オーボンクリマとかカレラの
ピノノワール(PN)と言われて出されたら、多分全然疑わずに
飲んでしまうと思います。


ニュアンスが北米のちょっと寒いところのPNに近いからで、
樽の掛け方が北米と少し違うくらいの差でしょうか。
要は、完成度が高い印象ということです。ブラインドで出されたら
絶対に外す自信があるくらい(笑)。


私の中でのニュージーのピノノワールは、もう少し色が明るくて、
もっと果実感が高くて“いちご〜ブルーベリ〜”みたいな、
女性に例えると熟しかけている女子大生といったイメージなのですが
こいつはもっと成熟しています。


ます。色も明るいというよりは、ガーネットに近いドスの効いた感じの
ルビー色だし、一瞬グラスに注いだ色合いに、カベルネソーヴィニヨンとか
カベルネフランを連想しましたが、立ち上る芳しい香りは紛れも無く
PN姫のDNAを感じます。


でも、生まれは高貴ながら大自然の中で育った自然児の荒削りな個性が
感じられて、それがまたちょっと不良っぽい魅力に繋がっている感じです。


香りの総合的な印象は、両親の仕事の転勤で幼少時代は地方を転々として育ち、
今は仕事もバリバリこなし恋愛経験もそれなりに積んだ、30代前半の
“いい女”といったイメージです。


明らかにPN一族なのに、赤系ベリーよりも黒系ベリーのニュアンスが強く、
プラムやももなどWSET的に言うとストーンフルーツの香りが奥に感じられ、
甘草とか丁子とか樽由来と思われる複雑なスパイス系の香りも強いです。

素晴らしいバランスです。
そして100%陽気ではなく、僅かばかり陰性なニュアンスも感じられます。
やはり、ワイパラという冷涼な地域の生まれと育ちだからでしょうか、
このワインはどこか物悲しいベールをまとっています。


口に含んだ時に広がる情景は、よく晴れた秋の夕暮れ、湘南の森戸海岸の
駐車場に停めた車の中で、30代前半の美しい彼女と一緒に沈み行く夕日を眺めて
幸福感に浸りつつ、この幸福は刹那的なものであって永遠に続くものではない
ことをお互い気づいているけど口には出さない、みたいなイメージです。
(注:私は、現実にはそんな経験しておりませんのであしからず・笑)


嫌味の無い酸、上品でふくよかなボディ、そして長い余韻。
一口ごとに熟度を増していく色っぽい味わい・・・こんなワインを気軽に
楽しめる幸せを噛みしめてしまいます。

今回、このワインに合わせる食事はちょっと手抜きしてしまいました。

PNに敬意を表してブフ・ブルギニオン(ブルゴーニュ風牛肉の赤ワイン煮)
くらい食べたかったのですが、さすがに自分で作るわけにもいかず、
デパ地下に買いに行く気分でもなかったので、出来合いの簡単なものにしました。


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最近「予約でいっぱいの店“ラベットラ”のパスタソース」なるものが
市販されていて、レトルトパウチのままお湯で温めて、茹でたパスタに
かけるだけなんですが、これがなかなかの優れもので、レトルトと
思えないくらい美味しいんです。


IMG_3697.JPG


テイスティングをした日は、いくつか種類が出ている中で
ブフ・ブルギニヨンと「牛肉」「赤ワイン煮」という点で少し共通項がある
オーソドックスな「ボロネーゼ」ソースを温めてこのPNに合わせてみました。

これがまたなかなかいける!!


生産者の小山さんには大変申し訳ないのですが、レトルト食品と
一緒であっても、素晴らしいポテンシャルを十分堪能させて
いただきました。


ご興味ある方は、こちらから買うことが出来ます。



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posted by 煩悩爺 at 00:22| Comment(3) | TrackBack(0) | お気に入りのワインなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月08日

中目黒「エンリケ」 隠れ家スペインバルで絶品あさりご飯とベルデホを愉しむ


先日帰京した際にお邪魔してきました。


どうもこのエリア(渋谷から代官山、中目黒にかけて)は
昔から長くやっている老舗に加え、若者をターゲットにした店も多く、
系統的には外観・内装に凝っていて美女・イケメンの店員を揃え
料理の味付けは派手系・濃い目でパッと見人気の出そうなところが多い
(実際に食べログなどの得点も高かったりする)のですが、
噂を聞いて行ってみると、何となく食材があまり良くなかったり、
いわゆる「子供だまし」系の店だったりすることもあって、
料飲店のレベルは玉石混交の状態です。 


爺はたまたまこの辺りに自宅があって、近所の店に食事をしに行く際は、
つい本ブログでも紹介しているような昔から行きつけの店や
ラーメンとか焼肉とかのB級グルメ系に行くことか多いので
新しい名店情報は知人から教えてもらってばかりなんです(汗)。


今回訪問したスペインバル「エンリケ」さんも、やはりワイン仲間から
教えてもらった店で、中目黒駅の南側の商店街・飲食店エリアから
少し離れた住宅街の中にぽつんとあります。


                             <外観はこんな感じです>

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看板がかかっていることくらいが普通の一軒家と違う部分で、
隠れ家感たっぷり。

カウンターが8席ほどあるので、お忍びデートにはぴったりです。
また、テーブル席は6〜8人くらい座れる場所が2箇所あるので、
小規模なワイン会などの会合にも使えそうです。

実際に爺がお邪魔した時も、スペイン系と見受けられる白人の皆さんが
入り口付近のスペースで宴会をやっていました。


お店に入った時の第一印象は、飲食店にとってかなり重要な要素ですが、
これだけで好印象ばっちりです。


偏見とかではなく、白人が集っている西欧料理店は、まず間違いないです。
我々日本人だって、海外の都市で美味しくない日本料理屋には入りませんからね。


さて、メニューとワインリストを拝見。

パッと見て全体的にお安いです。
だいたいのタバス系が500〜1000円程度、メインの料理も
せいぜい2000円以内です。


ワインは勿論スペイン産ばかり。
1本2000円台からあります。リストには30種類くらい
掲載されていたと思いますが、全体的にリーズナブルなものが多いです。


こちらのスペシャリテは、「バスク地方のあさりご飯」と伺っていたので
それをメインに、オーソドックスなタパスを数品頼むことにしました。

ワインは泡か白で迷いましたが、白の気分だったので魚介類に合いそうなものを物色。
スペインの土着品種で魚介に合いそうといえば、大西洋岸で出来る
アルバニーリョと中央カスティージャ州ルエダで出来るベルデホ種を
考えましたが、こちらのお店、嬉しいことにベルデホの品揃えが良く、
なんと同じルエダ産で4〜5種類オンリストしてあります。・

スペインワインの作り手まではあまり詳しくないので、カウンターの中に
おられた店主にフードのオーダーを言って相談したところ、
この「マルティンサンチョ」を勧められたので即決。


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早速開けてもらって飲んでみると、すっきり端麗で美味しい!
もともと、ベルデホという品種はシャルドネと比較されることが多いのですが、
シャルドネよりも香りがやや強めで芳しく、フルーティでボディはミディアム、
すっきりした辛口で食事に良く合います。


ちょっと辛口のぽってりした日本酒のような印象です。
きっとこれなら「あさりご飯」と合うんだろうなあ、というのが第一印象。

スペインという国は日本と同様米を食べるのですが、あさりご飯が
スペイン風「深川めし」ならこのベルデホは日本酒に当たるんでしょうね。


さて、ワインを愉しんでいるとタパスが供されて来ます。


IMG_3615.JPG


いわしのマリネ
これ、かなり美味しいです。


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続いて野菜のトマト煮
滋味深い味わいです。
野菜をこうやって美味しく炊き上げるお店は、だいたい
何を食べても素晴らしいものです。


IMG_3619.JPG

小エビのアヒージョ
つい、スペイン料理屋に行くと頼んでしまうメニュへの一つです。
店の実力かある程度わかりますよね。
こちらは勿論◎(素晴らしい二重丸)でした。


ここまでのオーソドックスなメニューに対して、ワインは
その味わいに巧く寄り添って食事をより楽しめるものにしてくれました。
ベルデホ・・ローカル品種ながらなかなか侮れない実力です。


そしてメインの「バスク風あさりご飯

一通りタパスが出終わった頃を見計らって、
「これから作り始めます。20〜20分かかります」
と声を掛けられました。期待も高まります。


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カウンター越しに作る過程を見ていたのですが、
ご飯(生米から)をあさりとニンニクでじっくり
炊き上げていくだけのシンプルな作り方でした。

出来上がりは、その通りたっぷりのあさりとニンニクの
入った山盛りのごはんの上にオリーブオイルがこれでもか、
という感じにかかっています。


食べてみると味わいはアサリのうまみがしっかりと感じられる
素晴らしいものでした。


しかし、半端じゃない量のニンニクを使っています。
翌日は休日だったので問題ありませんでしたが、平日だったら匂いを
ちょっと気にしてしまうかも、

・・でも、多分美味しい誘惑には勝てないでしょうね(笑)。
ほんと、このあさりご飯は一食の価値があると思います。


店主は職人気質の素朴な感じの方で、人柄が料理の味に
出ていたように感じました。とても好感が持てます。
サービススタッフのホスピタリティもちょうどいい塩梅です。


お支払いは、2人でワイン1本、ご紹介したタパスの他に
生ハムなどをとり、一人5000円程度でした。
素晴らしいコスパかと思います。


中目黒の駅から少し住宅街の中を歩いていく感じになりますので、
隠れ家的な感覚が強いお店です。
是非、気になっている娘さん(お姉さんでも可)を誘って
行ってみていただきたいと思います。


〒153-0051東京都目黒区上目黒2-10-4
03-3791-3023



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posted by 煩悩爺 at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ワインと美食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする