2015年11月16日

九州屈指の名門鮨店小倉「天寿し」酒無し五感で鮨を味わう

    〜 小倉の天寿し(京町店)まで鮨詣で 〜


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私は普段鮨という食べ物にはあまり執着が無く、極端なところ「スシロー」とか
「カッパずし」といったところでも(価格を考えれば、ですが)文句はありません。
ちょっと高級な美味い寿司が食べたいと思えば、築地の「すしざんまい」で
カウンターに座って、握ってもらえばかなり満足できます。


したがって、一人1万円を越えるレベルの寿司屋にはあまり縁が無く、
興味はあったものの、例えば「すきやばし次郎」だとか、その手の
星付き高級鮨屋にはあまり足を踏み入れたことはありませんでした。

大体、そんな世界を知ってしまうと、コストの安い回転寿司には
もう戻れなくなるのでは、という危機感もありました。
(結構、昔から回転寿司は好きでした)


その私が、先日ついにその禁断の世界に足を踏み入れてしまいました。
人によっては、「日本一では」という評価もあるくらいの、
小倉「天寿し」さんです。

東京のワイン仲間でこちらのお店の常連がいて、予約が取れたから行こうと
誘ってもらったので、これも一つのチャンスと思って行って参りました。


こちらの「天寿し」さん、なんとメニューにお酒がありません
勿論お酒の持ち込みも出来ません
基本、お茶でひたすら握りを食べるというスタイルのお寿司屋さんです。

それでも、だいたい2−3ヶ月先まで予約が一杯ということですから、
世の中意外にお酒が無くても大丈夫な人がいるのか、はたまた
それでも人々が殺到するくらい凄いのか、などと考えながら向かいました。


ロケーションはJR小倉駅の駅前、新幹線口から歩いてほぼ3分くらいの至近です。


私のように関東出身で九州を訪問したことが無い人は、
だいたい北九州市の小倉と福岡市の博多がどのくらい離れているのか、
ちゃんと知っている人は少数派ではないかと思います。

距離で言うと約70キロ、在来線快速では約50分かかります。
新幹線を使えば15分で付きますが、距離は意外にあります。


さて友人と博多駅で待ち合わせ、新幹線で小倉に向かいます。
新幹線の座席に落ち着くと、新幹線の車中にワインなど持ち込めばよかった、
などと話しましたが、そんなことを話しているうちに、
あっという間に列車は小倉駅に到着。


そして駅前に出て歩き、これもあっという間にお店に到着。
予約の時間よりも少し早く着いたのですが、店内に入れてもらえました。


客席はカウンター5席のみです。
カウンターの奥には水がちろちろと流れており、
べたついた指を洗うことが出来ます。


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2−3週間ぶりに訪問したという友人は、大将といろいろな世話話をしています。
そして、お茶と口直しの胡瓜が並べられ、いよいよ握りのスタートです。


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まずは中トロ。築地の仲買から送ってもらっているとのこと。
あまりのビジュアルの良さに思わず写真を撮り忘れて口に運んでしまいました。

ネタの写真をアップしておきますが、口の中でネタが蕩けるとはこのことだと思います。
かといって脂っこくなく、さっぱりとしています。


こちらの天寿しさんは、醤油をつけないでも食べられるようにネタに味がついています


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続いて赤イカ。細かく仕事がしてあり、ビジュアルも良いですが、味も素晴らしい。
昨年初めて福岡に来て、関東で私が食べていたゴムのような歯ざわりのイカとは
別モノのイカを食べて、今までイカに抱いていたイメージが完全に間違っていたことを
思い知りましたが、このイカの握りを口にした時も、その時の衝撃に近いものがありました。


歯ざわりが軽やかなのに、噛みしめるとねっとりした感触もあり味わい深いものでした。

このスタートのトロとイカで、十分この店のポテンシャルを感じることが出来ました。
これは、私が今まで訪れた鮨屋とは全くレベル感が違う、と。


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次に海老、サバと続きます。

サバは軽くあぶってありますが、この火入れが絶妙でサバの脂がいい塩梅に溶けて
甘さが出る状態です。


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続いてホタテ。甘ダレが何とも言えず美味しい。


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次に出てきたのは、軍艦巻で「カワハギの肝和え」でした。

・・・これは凄い。口に入れた瞬間に口腔に広がるふくよかな香り
恐らく、肝を酒とみりんで和えたものと思われますが、この豊かな香りに
鼻腔もくすぐられて、あまりの幸福感に思わず涙ぐんでしまいました

そして、後から来る有明海苔のいい香りと海苔がパリパリと音をたてて
砕けていく感触。

噛みしめると、程よい大きさにカットされた弾力のあるカワハギの身の
しっかりとした歯ごたえの後に、じんわりと旨味が感じられます。


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・・・・素晴らしく美味しいです。

まさにこれこそ、味覚に視覚、嗅覚、触覚、聴覚の五感全てを駆使して
味わうということなんでしょう。
こんな経験は初めてです。


続いて、太刀魚です。

軽くあぶってあり、身がふっくらとして口の中でほろほろと崩れて行きます。
この感覚が素晴らしい。


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次は、漬けマグロです。

赤身というよりも中トロくらいの脂の乗りです。
これもむちゃくちゃ美味しいです。


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ここでお口直しに、海老の頭をあぶったものが供されます。
きゅうりをかじるのとはまた違ってすっきりします。


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と、今度はアジですが、上にかかっているのは「粉醤油」だそうです。
口に入れると、醤油の香りが後からついてきます。

う〜ん、何だかマジックを見ているような気分になってきました。


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次は、焼いたキスにゆず胡椒、だそうです。

旨い!

もう何だかよくわかりませんが、ともかく出されるものの多くが
初めて味わう感覚で理性がついていけません。
本能で何とか付いて行っている感じです。


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その次は、なんとサザエです。オクラが乗っていてレモン汁が絞ってあるとのこと。
サザエなんて、つぼ焼きでしか食べたことありません・・・

しかし・・・なんじゃこりゃ、旨い・・・
私はもうノックアウト寸前です。


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ここで漸く、なじみの素材が出ました。

ウニです。

これは普通に(かなり)旨い。
知った食材(ネタ)だと、ちょっとホッとしますよね。


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続いて、焼き穴子です。

穴子は根魚(海底近くに生息する魚)なので、産地の水深や水流などに拠って
随分味わいが変るそうです。

今日の穴子は大分産、豊後水道のものということですが、
水深は普通で流れが早いので脂がよく乗っているとのことでした。
確かに脂がよく乗っていてふんわりと美味しいです。


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次はトロの鉄火巻きですが、一緒に巻かれるのは海ブドウです。

大将が私の写真のためにわざわざ中身をよく見せてくれました。
海ブドウの儚い食感と、トロの溶けていく食感とのコンビネーション
絶妙にマッチして素晴らしいです。


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最後は、フグでした。

何と贅沢な・・・という感じですが、本当に薄造りを10枚くらいまとめてすくって、
鮨飯と一緒に一気にほうばったような感覚でした。当然ながらかなり旨いです。


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ここでお吸い物か味噌汁かを聞かれます。
汁物は小さなお椀で供されますが、お代わりも可能とのこと。

ここまでで15貫、もうお腹いっぱいでしたが、何か召し上がりませんか?と
大将に聞かれたので、折角なのでマグロの赤身をお願いしました。


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これがまた絶品・・・やはりいいマグロの赤身は素晴らしいです。

大将の話によると、マグロも大きくならないと肉に力が無くてダメとのことで、
体重の目安としては150キロくらい無いとダメだそうです。


とここまでで、全く酒を飲んでいないのに
何となく酔っ払っているような感覚になっていました。。

酒は無くても、本当に美味しいものは、食べているだけで
飲酒しているのと同じようにドーパミンがバッチリ出るんだということを
思い知りました。


これでお支払いは一人2万台前半でした。
お酒無しではありますが、この内容ならさもありなん、というレベルでしょうか。


店を後にして、大将が渾身で握る芸術作品である鮨を、食べる側も酒などで
感覚を乱すことなく、五感をフルに活動させて味わうべきお店なんだろうな
と思いました。


今まで鮨を食べる時に、香りだとか食感について気にしたことなど全く無かったので、
本当に素晴らしい体験でした。


さすが、全国的に名前が知られるだけはある名店です。
お値段もそれなりなので、なかなか普段使いというわけには行きませんが、
また必ずリピートしたいと思います。


なおこの日店を出た後、友人と私はまた新幹線に乗って博多まで戻り、
私の家でシャンパーニュを1本飲んで〆めました。


シャンパーニュは、2年ほど前に広尾のシャンパンバー「ボンボンヌ」で、
やはりその友人と一緒に飲んだマチュープランセ
コートデブランの隣、グローブ村産のブランドブランです。


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たいそう充実した夜でした。





福岡県北九州市小倉北区京町3-11-9

093-521-5540


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posted by 煩悩爺 at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 博多・ワインと美食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする