2016年02月01日

50歳の赤白ブルゴーニュ古酒(1966年)を愉しむ@北参道ラ・カーヴ


友人で元英国のワイン商BB&Rの在日代表だった清水氏が
主宰した古酒会に行ってきました。

彼は今、独立して「インテグリティ」というワイン輸入商をやっており、
そのメインの取扱ドメーヌであるドゥデ・ノーダン」の営業責任者が
来日した機会に、そのドメーヌの地下セラーに保管してあった古酒を
試飲するワインディナーを企画したので、随分前から参加を決めて
楽しみにしていたのでした。

古酒会の正式タイトルは

50年前に造られたブルゴーニュの古酒を、フランス家庭料理を
いただきながら、究極の垂直飲み比べをしながら、
蔵元の気さくなおじさんと共に満喫する会

というものでした。

この長ったらしいタイトルを見るだけでも、
清水氏のインテグリティ(誠実)なところが伝わってきます(笑)


ワイン会の場所は、以前小ブログでも紹介したことのある
北参道ラ・カーヴ」、ワインに合うとても美味しい料理を出して
くれるお店です。


当日、お店に到着するとお客さんは20人ほど、ほぼ貸切です。
奥には、本日供される予定のボトルが抜栓されて並べられ出番を
待っており、その横にはワイングラスが並べられて壮観です。 


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ドゥデ・ノーダン」は1849年設立コートドボーヌの
サヴィニ・レ・ボーヌ村にあるドメーヌで
12haの畑を所有すると共にブドウ生産者からブドウを買い付けて
ワインを造っています。


私も、清水氏が輸入を始めてから何本も買って飲んでいますが、
とても実直で基本に忠実な作りをする造り手だな、と感じていました。
変化球はあまり無く、村の特徴がしっかり出るような造り方をします。

いわば、その土地でできたブドウの個性をそのまま生かした
ワイン造りをしている印象です。
最近の流行などはあまり左右されず、素朴で素直なワインを作っている
ことには好感が持てるので、こういう生産者は大好きです。


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挨拶の後、最初の乾杯は同じく清水氏が輸入しているシャンパーニュ、
リオネル・カロー」で。

この泡も、通常のシャンパーニュのブレンドではなく、フランスの
ワイン法では認められている古代ブドウ品種ピノ・プラン・ヴレという
マニアックな品種がブレンドされています。

すっきりとした中にも、何となくまったりとした味わいがあるのは
そのせいでしょうか。

酸味も利いていて好きなタイプです。


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オードブルに続いて鯛のカルパッチョ鴨肉のサラダが供されて
白の2006年が出されました。

これは、サヴィニ・レ・ボーヌ村でドメーヌが所有する
モノポールの一級畑「レドルスキュル」、

本日のワインの中では最も若いワインですが、それでも10年経っています。

2006年はグレートヴィンテージだった2005年の翌年であり、
あまり評価の高くない年ですね。

むむむ・・・いきなりですが酸が足りずに、ややもったりした印象です。

長い熟成に耐えるためには、ボディと酸味がしっかりしていないとだめなのですが、
この程度だと今は美味しく飲めますが、これ以上の期間置いても
味は落ちていくばかりかと・・。


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そして次は、更に40年遡った1966年の同じ畑の白が供されました。

外観はちょっと曇っている印象です。
が、飴色くらいに濃いものが出てくると予想していたよりは、
普通のゴールドだったので少し安心しました。

正直なところ、私はそんなに古い白を飲んだことがありません。
(だいたい自ら進んで古い白を飲もうと思わないですよね・・)


2006でさえ「もったり感」がある状態でしたから、あまり期待していませんでした。
どちらかというと、「怖いもの見たさ」くらいの感覚で、口に含んだのですが・・・・・

これが・・ビックリするくらい若々しくて美味しいものでした。

1966年というのは有名なヴィンテージで、60年代ではベストと
言われている年です。

50年の時を超えてきたにも拘わらず、酸が立っており
味わいの輪郭がはっきりとしています。

さすがにフルーツの印象は消えていましたが、代わりに
ナッツやきのこのような複雑な香りが立っています。
これは本当に素晴らしい。

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ワインは本当に生き物だなと感じます。

全く同じ畑で、同じブドウの樹になったブドウでも、
年によってこれだけの差があるなんで、本当に神秘的です。

同じDNAのブドウを使って同じ人が造っているのに、
その年の天候や育て方だけに左右されて味わいが全く変っていく
ものだということを、あらためて思い知りました。

やはり、グレートヴィンテージと言われる年の作品には、
それなりの価値があるものだということですね。

ちなみに価格差は、2006年と1966年では、だいたい
倍くらいの差です。
しかし、私の勝手格付けとしては10倍くらいの差があって
しかるべきと感じました。
と、いうことは1966は「お買い得」ということですね。


お料理は、ポットに入ったコックオーヴァン(鶏の赤ワイン煮込み
が出されてきました。そろそろ赤ですね。

こちらのお店のお料理はいつもながら絶品です。
コックオーヴァンも(何度も食べてますが)相変わらず旨い!


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さて、最初の赤はシャンポール・ミュジニ村名の1981年
これでも35年前のお酒ですから十分古酒です。

・・・十分フレッシュ感があります。それでいてしっかり熟成しています。
これもかなり美味しい。しっかりとチェリーやカシスなど、
ベリー系フルーツのニュアンスが感じられました。

そして続いて、立て続けにサヴィニレボーヌ1erと
シャンポール・ミュジニ村名の1966年が供されました。

おおっ・・・確かに古酒の色です。少しレンガ色のようなくすんだ色合で、
長い年月を過ごして来ていることが、色合いからもわかります。


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アロマは、最初は閉じている印象でしたが、時間と共にだんだんと開いてきました。
ふくよかな香りです。

どちらにもまだフレッシュ感が残っているし、更に熟成が進んでいることを
示すきのこや土の香りが出ています。

サヴィニには赤系ベリーの香りが強く残っていて、
シャンポールミュジニには「なめし皮」のようなニュアンスが感じられました。

味わいも素晴らしい。

50年物のブルゴーニュですから飲み頃を過ぎていたとしてもおかしくないのですが、
ふくよかで酸はしっかり残っていながら角が取れて柔らかな味わいです。

これほど豊潤なワインにはなかなか出会えません
口に含んでいると、自然に笑みが漏れてしまうようなワインでした。


フードは、牛のローストが出されました。

こちらのお店は、このステーキが特に美味しいんです。
ワインを飲んでいるからあまりたくさんは食べられませんが、
いつもお店に来るたびに、いつかこの肉をお腹いっぱい食べてみたい、と思っています。


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・・でも、こちらにお邪魔して、このお肉が出てくる時分には、
だいたいワインでかなり酔っ払っているのが常なので、
当分その思いは果たせないと思うのですが(笑)・・。

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ちなみに、こちらのドメーヌは製造してからずっとドメーヌの
地下カーヴで保管し、出荷の直前になってからエチケット(ラベル)を貼るため、
当然エチケットは傷んでいません。

古くてほとんど文字が読めないようなエチケットが好きという方も
いらっしゃると思いますし、そこは好みの問題なのですが、
私はカビでボロボロになっいるよりは、文字がしっかり読めるほうが
合理的で良いと思います。


自分とほとんど同い年のワイン達と共に幸せな時間を過ごすことが出来て、
素晴らしい夜でした。

インテグリティの清水氏は、定期的にこの手のワイン会を開催していますので、
ご興味ある方はウェブサイトをチェックされることをおお勧めします。
(古酒も購入オーダーできます)





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posted by 煩悩爺 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ワインと美食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする