2013年11月30日

#2 シャンパーニュメゾン訪問で生産者と語らう(Pol Roger)

  欧州旅行記 その4

  シャンパーニュ(エペルネ)訪問記 その2
  POL ROGER 


私の訪欧記録も今回で最終回です。 

前編で訪問した 「R&L LEGRAS」からタクシーでエペルネの中心街に戻って
昼食を摂っていたら、それまで小雨模様で終日雨の予報だったにも拘らず
なんと晴れてきました

自分では「スーパー晴れ男」を自称していますが、
ここまで何度もタイミングよく晴れてくれるとちょっと気味が悪いくらいです。

俺はモーゼか???!!(笑) 

そんなこともあって我々は気分良く、午後のアポイント先の
老舗、名門、かつ大手のPOL ROGERに向かいました。 

POL ROGERは「駅から歩いて5分」と聞いていたし、
午前中にLEGRASに行くタクシーで通った目抜き通りの
Avenue de Champagne沿いで見かけたので、
簡単に行きつけるだろうと考えていたのですが、そんなには甘く無かったです。 


                 <晴れた空とシャンパーニュ大通の入口サイン>
d_MG_0812.jpg

目抜き通りに面している建物は、ワイナリーと倉庫で、
訪問者接待用のシャトー兼事務所は別の場所にありました。
その情報は昨年ここを訪問した友人の情報で知っていたのですが、
それにも拘らずシャトーの場所がわからず困りました。

ワイナリーと倉庫には当然入口は無く、インターホンなどの
連絡手段も見当たらないので、地元の人に道を尋ねてみたところ、
漸くシャトーの場所がわかって15分遅れくらいで行きつけました。

                <漸くたどり着いた重厚なシャトー>
               d_MG_0872.jpg

(なお、事前に日本でプリントアウトして行った地図もシャトーの場所
ではなく、シャトー近くの「POL ROGER SQUERE」という広場(公園?)
の場所だったので役立たずでした(笑)) 

漸くシャトーにたどり着いて、入っていくとなんと、日本の国旗
フランス国旗と英国旗と一緒にはためいているではないですか! 

d_IMG_2934.jpg

なんと我々2人のために日章旗が・・歓迎されている実感が沸いてきます。 
こういった気遣いは洋の東西を問わず嬉しいものですね。

            <とりあえず通された部屋・・貧乏性の私には居心地やや悪し・笑>
             d_MG_0873.jpg

この日対応してくれたSébastien氏は、今年の7月から同社で働いている若者
でしたが、歴史などについても完璧に説明してくれました。 
彼に誘導されて、まずはシャトーから先ほど見たワイナリーと倉庫に向かいます。 
歩いて2−3分です。

ワイナリーでの見学は、ステンレスの発酵タンクからでした。
大型のステンレスタンクが無数に並ぶ発酵スペースは広大で、
タンクごとに単一畑のブドウから造られたワインが入っており、
温度管理もタンクごとです。

d_MG_0885.jpg

温度の集中管理ボードでは各タンクの目標温度と現在の温度が表示されています↓ 

d_MG_0886.jpg

各タンクの中ではちょうどアルコール発酵が終わって、マロラクティック発酵が
始まったところとのことでした。 

POL ROGER社では、昔から使っていたコンクリートタンクを止めて
順次ステンレスタンクに移行しているそうです。 
しかし、このタンク群だけ見ても「シャンパーニュ造りは金がかかる
というのがよくわかります。 

さて、その次に我々が案内されたのは、エレベーターで降りる
地下30メートルに7キロに渡って広がる地下セラーでした。

POL ROGERの地下セラーはエペルネでは最深、最長とのこと。 

換算すると地下10階に相当する深さのところに有名な
地下セラーがあります。

私は地下セラーとは、少し広めの地下室くらいの理解でいたのですが、
実際は縦横無尽に張り巡らされた地下道で、そのところどころが
熟成中のワインボトルで埋め尽くされています。
幅5メートル高さ3メートルほどの地下道に2メートル位の高さまで
ボトルが重ねられており、見通せるはるか向こうまでワインボトルの海です。 

                <はしごに登って見渡すとこんな感じ>
d_MG_0892.jpg

保管を始めた日付とコードネーム、保管されている本数が書かれたボードを見るとなんと31万本・・・。

d_MG_0893.jpg

こんなボトルで埋め尽くされた地下道が、メインの地下道の両側にいくつも延びています。
気が遠くなるくらいのボトルの量です。

全体では600万本ほどが貯蔵されて、静かに熟成を進めているとか。。。
想像できるレベルの量ではありません。 

その熟成保管場所を過ぎてしばらく歩くと、今度は暗闇に人影が・・ 

地下道の両脇にピュピトルが並べられて、そこでルミュウール
(ルミアージュ係)が黙々とルミアージュをやっていました

 ※ピュピトル・・シャンパーニュの瓶をさかさまに立てておく木製の台
 ※ルミアージュ・・熟成中にできるオリを瓶口に集めるために、 
           毎日少しずつ瓶を回転させる作業のこと 

天井から張られたケーブルに移動式の裸電球がついており、
彼は裸電球を動かして暗闇を移動しながらながらルミアージュを
続けています。

最近のスパークリングワイン業界では、電動式のルミアージュマシン
ジロパレット」が主流になりつつあると聞いていますが、
POL ROGER社では一切電動式のマシンは導入しておらず
ルミアージュは全て人間の手によるものだそうです。・・・凄過ぎます。 

出会ったルミュウールの彼は英語が話せないので、
案内のSébastienに通訳してもらって少しインタビューをしました。 

1日何時間ルミアージュしているんですか? 
    → 8時間だよ。途中何回か休憩するけどね 

この勤務は、週に何日ですか? 
    → 週に5日だよ。 

何年この仕事をやっているんですか? 
    → もう5年になるよ。 

・暗くて寂しくないですか? 
    → いや、慣れたよ。

何か辛いことはないですか? 
    → 時々、腰が痛くなるよ。 

・・・凄いです。
彼は毎日暗がりの中で黙々とボトルを回し続けているのです。 

有り難う。あなた方のお陰で我々は美味しいシャンパーニュが
 飲めます。感謝しています、 

と言ってインタビューを終えました。
彼の笑顔が印象的でした。 

d_MG_0903.jpg

同社は100数十年前にこの地下セラーを作りましたが、
1900年代初頭に崩落事故を経験しており、
地下道のメインテナンスには相当気を遣っているとのことで、
我々が訪問した時もところどころでメインテナンスが入っていました。

地上と地下を結ぶエレベーターは来訪者用が4基、
ワーカー用が数基あるようでした。 

地上に戻ってデゴルジュをする機械だとか、
コルクの打栓機とかラベル貼り機などの機械類、製造ラインを見せてもらいました。 

                    <デゴルジュをする機械>
d_MG_0910.jpg

                  <オートメーション化されたライン>
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               <次々とシャンパーニュボトルがお化粧されて行きます>
d_MG_0916.jpg


さて、ワイナリー見学を終えると、シャトーに戻ってテイスティングです。 
さすが大手シャンパーニュシャトーだけに、テイスティングルームも立派です。
ここにも日本の国旗が飾られていました。 

d_MG_0931.jpg

テイスティングでは、ロゼ2004、ミレジメ2004、
キュベ・サーウィンストンチャーチル2000(CSWC)を開けていただきました。 
なんて大盤振る舞いなんでしょう。・・大感激です。 

午前中に飲んだLEGRASは全てブランドブランだったので、
味わいが全く違います。 

ロゼ2004は、典型的な赤系ベリーのチャーミングな香りが特徴のワインでした。
特に女性が好みそうな味わいです。 

ミレジメの2004はさすがの存在感です。
アタックも強く骨太な印象ですが、
その中にエレガントさも兼ね備えているような精悍なワインでした。 

CSWC2000は、先日リリースされたばかりとのことで、
こちらもやはりトップキュベなりに別格でした。 
複雑すぎる香りとアタックの強いフルボディな味わいは、
素晴らしいミレジメ2004でも全く足元に及ばないほどの高みにあります。 

1975がファーストビンテージで、以来最高のブドウの作柄の年しか
作らないとされ、2000は13番目のビンテージだそうです。
あまりの恍惚感に、テイスティングルームの席の前には吐き出し用の
シンクがあるのですが、CSWCだけはしっかり飲み干しました。 

d_MG_0939.jpg

そうこうしているうちに、パリに帰る電車の時間が迫ってきて、
名残惜しいのですがおいとますることにしました。
ゆっくり見学をしてテイスティングをして・・ということになると、
2時間では全然足りないということですね。 
素晴らしい時間を過ごすことができました。

(なお、こちらのメゾンでは、見学や試飲については紹介が必要と聞いています。
訪問ご希望の方は国内輸入元等にご確認ください) 


ほとんど小走りにエペルネ駅に向かい、何とか電車の時刻までにたどり着いたのですが・・・
待てども待てども電車は来ず・・・・ 

結局電車はキャンセルになってしまい、延々と待たされた挙句バスで知らない駅
(多分各駅停車の始発駅)まで運ばれ、各駅停車でパリまでてくてく帰ってきました。
18時にはパリに着いて買い物なども予定していたのですが、
パリ東駅に到着したのはもう20時半過ぎでくたくたでした。 

ま、エペルネ訪問は行きも帰りも電車のトラブルに振り回されましたが、
ヨーロッパの電車の遅延は日常茶飯事と言いますから、
無事にその日のうちに帰れただけ良かったと思っています。
(帰れなかったら予約していた帰国便に乗れなかった・・) 

疲れましたが、素晴らしい経験をさせていただきました。 

以上、4回連続でイタリアとフランスの見聞録をご覧いただきました。
長文をお読みいただいた皆様、有り難うございました。

次編から、また東京の話題に戻ります。



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posted by 煩悩爺 at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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