2017年12月17日

J.S.A. SAKE DIPLOMA 資格取得体験記

〜決して日本酒に浮気したわけではありませんが(笑)〜


日本ソムリエ協会(J.S.A.)が、世界に誇るべき日本の食文化の一つである
日本酒の普及を目指して「SAKE DIPLOMA (サケ・ディプロマ)」という新しい資格を創設し、
本年度(2017年度)第一回目の試験が行われましたので、受験しました。


sakedipテキスト.JPG


私は日本酒に対して特別の思い入れもないですし、かといって特に嫌いでもないので、
今までは自分で飲み物をチョイスできるときはワインを、
日本酒好きな人とご一緒するときは日本酒を、という具合に
その時の相手や状況に応じて日本酒を飲んできました。

これまで日本酒の資格というと、「日本酒唎酒師」という民間資格があって、
ちょっとかじったこともあるのですが、あくまでワインの勉強の「ついで」に
やった程度のものでした。


今回日本ソムリエ協会では、日本酒好きとしても有名な田崎真也会長の号令の下、
日本酒を体系的に理解するためのプログラムとして「SAKE DIPLOMA」を創設した
とのことですが、未確認情報ではロンドンのWSETが日本酒のコースを創設したことに対して、
日本酒のおひざ元である日本ソムリエ協会としても対抗するべきとの判断が
あったやに聞いています。

さて、日本酒のことについてほとんど素人の私ですが、
一次試験。二次試験とも通過して何とか合格することができました。

ほとんどゼロの状態から約半年で合格レベルまで持っていくことができた勉強法について、
後進の皆様に参考になれば幸いと思い、残しておくことにします。

私は、今年は初年度ということもあって受けるべきかどうか悩んだ末にエントリーしました。
いつも一緒にワインを飲んでいる友人や昨年シニアエキスパート試験を一緒に受けた仲間が
ほとんど受けることにしたことに私も背中を押され、受けることになりました。


1.一次試験

今年はとにかく初回の試験なので、傾向や難易度などは全く分からず、
ソムリエ協会でもごく僅かな幹部が試験問題の作成に携わり、
公正を期して採点も専門の機関に外注したと専らの噂です。

受験する側も、あらゆる問題に対応できるようにしておく必要があり、
「ヤマをかける」こともできにくい、なかなかタフな状況でした。

唯一の救いは、一次試験の問題はテキスト以外からは出ない、という点です。
とすれば、テキストを丸暗記すれば100%正解できるということです。

而今.JPG


(1)試験

さて、果たして一次試験本番は4択式100問、基本的なことを問われる素直な問題が
ほとんどだったと思います。

「易しかった」という声もよく耳にしました。
変化球的な「重箱の隅をつつくような」問題は出ませんでしたので、
満点を取った方もいらっしゃったのではないでしょうか。

その代わり、(当然のことですが)合格ボーダーが、この手の試験としては
かなり高くなり、噂によると82〜3点だったとのこと。

要は「基本的なことをちゃんと覚えていないと合格できない試験」だったと思います。


(2)勉強法

ほとんどの仲間は、アカデミーデュヴァン、田崎ワインサロン、自由が丘ワインスクールなど
メジャーワインスクールのどれかのSAKE DIPLOMA受験コースに行っていましたが、
私は敢えて行かず、独学でテキストを理解&暗記するように努めました。

もう頭もボケてきているので(笑)、ただ読んでいるだけでは絶対に暗記できないと思い、
テキストの要点をノートに纏めて簡易版テキストを作ることから始めました。

日本酒の勉強は、地名や言葉の意味などが日本語なので、文字を書き写すだけでも
結構頭に残るものです。

ワインの勉強を始めた頃、横文字のブドウの種類や生産地の地名が
いろいろな国の言葉だったので、呪文を暗記するような作業で
えらく苦労したことを考えれば、日本酒の勉強はだいぶ楽でした。

やはり日本人ですね(笑)。

しかし、

択一式の問題は、読んでおけば頭の中に残っているから何とかなると
油断すると痛い目に合います。

私は択一系の試験で今までの人生で嫌というほど酷い目に遭ってきているので(笑)、
できるだけ書いて覚えるようにしています。

少なくとも、専門用語の意味・定義については空で文章で書けるようになるまで
何度も練習しました。主要酒米の種類・産地・造り方のプロセスなどなど。


この手の資格試験は、飲食のプロでない我々にとっては試験に合格することも
目的の一つではありますが、勉強することによってその世界を知ることが
最大の目的だと思っていますから、多少は面倒でも試験の後も頭の中に残るような
覚え方をしたいものです。

合否は「時の運」もありますし、どうせ時間をかけて勉強をするなら
合否にかかわらず「それなりの知識が頭の中に残った」という実利を取ることが
肝要と思います。


sakebaの酒3.JPG


2.二次試験

(1)試験

二次試験は、日本酒4種類、焼酎2種類の利き酒と小論文問題でした。
利き酒試験は、いわゆるテイスティングコメントを求められる問題で、
酒母、酒米、酵母、造り方について問われました。
30分で6種類ですから、結構時間はタイトでした。

コメントは択一式でしたが、選択肢を選ぶところに「ひっかけ」があった以外は
比較的わかりやすい問題だったように思います。(少なくとも、私にはそう思えました)

「ひっかけ」とは、テイスティングコメントを選ぶ問題で選択すべき数が記載されているのですが、
問題によって肢を選択する数が違っていたことです。

そして指定されている選択数を1つでも超えてマークすると、その設問の得点は
ゼロになってしまいます。


・・・それに気が付いたのが、終了直前3分くらい前でした。

もともと時間がタイトで、やっとの思いで6つのテイスティングを終え、
マークの誤りを見直していたところでその事実に気が付き、
焦りつつマーク数をチェックし終えたところで「time!!」となりました。

幸い、数がオーバーしていなかったことだけは確認できました。


小論文試験は、20分で1つの課題についてA4用紙1枚を書き上げるというもの。
テーマは「山廃酛」「生酛」の現状と今後の将来性について自身の考えを書けというものでした。

自身の考えを書くとはいえ、キーワードの意味や現状を知らなかったらアウトです。
私は、現状について一次試験の際にしっかり覚えていたので、
とりあえず制限時間内にA4版の答案用紙を十分埋めることができました。


(2)勉強法

@利き酒

もともとあまり日本酒を飲みつけていなかった私にとって、
学校に通って教えてもらう以外の選択肢はありませんでした。

私は田崎ワインサロンの二次試験対策講座を3コマほど取って
(酒米違い、酒母違い、酵母違い)、基本的なことを教えてもらったうえで、
仲間と日本酒の種類が豊富に置いてあるお店に行って自主勉強会をやり、
お店の人に教えてもらったりしました。


田崎講座酵母違い.JPG


酒米、酒母、酵母、特定名称酒といった要素の違いによる味わいの違いなどは、
基礎知識を持ったうえで実際にある程度種類と量をたくさん飲まなければわかりません。
(ワインの時と同じです)

個人練習としては、ワインスクールの日本酒二次試験対策講座に行くと共に、
気軽に練習ができる場所として銀座や恵比寿にある「君嶋屋」さんに行きました。

店内併設カウンター(角打ちスペース)でお願いできる「対策セット」
(3種類の試験に出そうな日本酒のセットで、ブラインドで練習ができます。
自分のテイスティングが終わると解答をもらえます。)が嬉しかったです。
週替わり(多分)で出題日本酒が変わるので、何度かお世話になりました。


君嶋屋さん.jpg


あとは、スーパーや酒屋で日本酒の小瓶をたくさん買い込んできて
自宅でオープンのテイスティング練習を。

銘柄がわかる状態にして5〜8種類の日本酒を比較試飲することによって、
微妙な味わいの違いを感じ取るように心がけました。


自宅練習1.JPG


仲間との勉強会は、私は主に渋谷の日本酒専門店でやっており、
「SAKEBAグループ」さんの2店舗によく行きました。

渋谷SAKEBA」 http://sakeba.me/

5000円で料理の他に30種類の純米酒が飲み放題となるコースがあり、
酒米や酒母違いについても、超詳しい店長やスタッフにいろいろ教えてもらいました。
コース料理も美味しいです。


sakebaの酒.JPG


KURAND SAKE MARKET渋谷店http://kurand.jp/sakemarket/shibuya/

100種類の日本酒が置いてあって、3500円で時間無制限の飲み放題です。
しかも、食事やつまみは持ち込みOK、という信じられない業態でした。
渋谷店は雑居ビルの7階に入っており、1階の中華料理屋に出前を頼むこともできて、
つまみを買っていかなくても問題ありません。

入店の際に料金を支払ってグラスを貸してもらい、そのグラスを持って、
店内中央にある冷蔵ショーケースに行き、勝手に自分の好きな酒を出して注ぐスタイル
ですから、仲間数人で行って順番に問題を出し合うようにして、ブラインド対策になりました。

sakebaの酒3.JPG


A小論文

どのような問題が出るのかわからなかったので、いろいろなパターンで何問か
予想問題とその模範解答を自分で作ってみました。

ここでも、一次試験の時にやった専門用語の意味・定義を文章で覚える勉強法が役に立ちました。
ある程度主要なキーワードの定義については暗記していたので、
あとは現状や背景などを肉付けすることで対策は十分だったと思います。
実際に、本試験の時も20分でA4版の答案用紙を十分埋めることができました。


(3)受けてみたことの感想

当初はあまりモチベーションが上がらず準備にも身が入らなかったのですが、
それはただの食わず嫌いだったことに途中から気がついて、
二次試験直前はそれこそ浴びるほど日本酒漬けになって、真剣に日本酒と向き合いました。


sakebaの酒2.JPG


これまで何気なく飲んでいた日本酒は、日本人の英知ともの造りの探究心の粋を極めたもの
であることを思い知り、世界に誇るべき素晴らしい文化的財産であることが実感できました。
知識を得たことで、実際に日本酒を味わう際に漫然と「美味しい」といって飲むのでは無く、
味わいの分析や造り手の考え方や目指す方向性を考えながら飲むことができるようになりました。

ワインも同じですが、知識は味覚を進化させてくれます。

これからは少しずつでも、蔵元や杜氏の思いを感じ、敬意を払って味わうように
心掛けていきたいと思います。


総括としては、日本文化の素晴らしさの一部に触れることができただけでも、
SAKE DIPLOMAにチャレンジして良かったと思います。
肝臓は少々痛めつけましたが(笑)、思いの外楽しいチャレンジでした。

来年以降、エントリーを迷っている方には是非おススメします。

何とか最後まで楽しく続けられたのは、スロースターターだった私に
いろいろとアドバイスをくれたり、練習会に声をかけてくれた
ワイン仲間の存在が大きかったです。

仲間が居なかったら途中棄権していたかも知れず、仲間の皆さんには本当に感謝しています。
これもワインが取り持ってくれた繋がりであり、これからも大切にしていきたいと思います。


(長文にお付き合いいただき有難うございました!)



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posted by 煩悩爺 at 23:36| Comment(0) | ワインの勉強 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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