2013年03月18日

ワイン本レビュー「たたかうソムリエ」

 「たたかうソムリエ」 〜 世界最優秀ソムリエコンクール
  角野史比古著  中央公論新社 刊 (1680円) 

 

たたかうソムリエ画像.jpg

アカデミー・デュ・ヴァンの遠藤誠先生がFBで紹介していたのを見て、
入手して読んでみました。
 
ワイン好きには堪らなく面白い本です。

私は朝通勤電車の中でこの本を読んでいたら、あまりに熱中してしまい
勤務先の下車駅で降りそびれてしまいました(苦笑)。
それほど引き込まれるものがありました。 

職業にはしていないものの、ここ約10年ほどワインに深く傾倒している者
として、この本を読んで本当に良かったと思います。

ソムリエは一見華やかに見える職業ですが、その舞台裏ではすさまじい
努力をしている方々もたくさんいることを再認識しました。
彼ら・彼女たちは、
人間が生きていくための基本である「食事」について、お客さんがレストラン
で過ごす時間を如何に幸せな時間にしてもらうか、というテーマに命を
懸けているかのようです。 

こういったことは、既に頭ではわかっていることではありますが、こういった
最高峰の人たちが闘うドキュメンタリーを読むと、改めて強く感じるものが
あります。 


この本は、NHKのディレクターである著者が、2010年にチリで開催された
「世界最優秀ソムリエコンクール」の取材を行った時の内容を本にまとめた
もので、日本人選手(アジアパシフィック代表)として出場したトゥールダル
ジャン所属の森覚氏の動きを中心に、数名の強豪選手の準々決勝から
決勝に至るまでの実際に行われた審査会場内外のドラマをドキュメンタリー
として記録してあります。 

54人の各国代表が準々決勝で12人のセミファイナリストに選別され、さらに
準決勝で3人に絞られます。 
そして最後に残った3人のファイナリストが公開会場での決勝を争います。 

この本では、その間の競技の様子や参加選手たちのインタビューが事細かに
記述されています。

 競技は知識や技術を問うだけではなく、何かのアクシデントが起こった際の
対応力などを試すために随所にトラップ(罠)が仕掛けられています。
このトラップに対する各選手の対応の描写も素晴らしいです。難なく切り抜け
られる選手、結局切り抜けられずに脱落する選手、いろいろですが、それまでの
仕事だけではない全ての人生経験がトラップを切り抜けていく指針になっている
ようでした。 

我々が普段表面的に目にする「XX国のXX氏という人が優勝した」「日本代表の
XXxyはX位だった」という結果の前に、これほどまでに壮絶なドラマがあるん
ですね。 

さすが、天下のNHKのディレクターだけあって、誰かに特別に思い入れることなく、
非常にフラットな立場で著述しているうえ、試合の状況を克明に表現した後で、
関連したワイナリーなどの周辺知識のコラムを挟んだり、インタビューを入れたり、
上質なドキュメンタリー番組を見ているような気分になりました。 

私は2010年の優勝者や森さんの結果などを知っていたのですが、それでも十分
楽しめました。 
その時の結果を知らない方は、是非知らないままで読み進めることをお勧めします。
結果を知らないのであれば、エンターテイメントとしてもとても面白い作品と思います。

特に今回の東京大会決勝を見学できる幸運な方には、是非この本を読んでから
3月29日に臨んでいただきたいと思います。

(私はしがない日本企業のサラリーマンですので、さすがに年度末最終日に会社を
抜けるわけにはいきません。残念至極!!)

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posted by 煩悩爺 at 02:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン本レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする