2013年08月11日

甲州種ワイン造りの名匠・勝沼醸造ワイナリー訪問


  名醸地で名生産者の熱い想いに触れる

先日、WSET講座のA先生の引率で、クラスメートと共に
山梨県甲州市の「勝沼醸造」さんのワイナリー見学に行ってきました。 

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勝沼醸造は1937年創業の日本でも最も古いワイナリーのひとつです。
また「甲州」種の作り手としては国内でも最高といわれるワイナリーのひとつで、
創業家の名前から取ったアルガブランカのブランド名で、イセハラとか
クラレーザ、御坂が有名です。
甲州から造られた泡のブリリャンテもかつて漫画「神の雫」に登場していました。

 「勝沼ぶどう郷」駅から10分程度で勝沼醸造本社に到着。 
本日の案内人は、副社長兼醸造部門責任者の平山氏。

かつては蔵だったという社屋の2階でまずはたっぷり2時間ほど、
勝沼の歴史と甲州葡萄に関する講義を受けました。

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これが、2時間があっという間に過ぎてしまったくらい面白く
興味深い話でした。
日本人と欧米人の酒に対する考え方の違いなど比較文化論まで
登場して、本当にためになりました。 

印象に残った話のほんの一例としては、欧米人は食事の際に
食事の一部として、また水分を補給するためにワインを飲む」、
酒に酔いたい時はスピリッツを飲む
それに対して日本人は昔から「酔うために酒を飲む」習慣があった
ため、ビールもワインもスピリッツも全て同じ「酒」として
酔うために飲んでいる
・・・といった具合。そんな話初めて聞きました。 

さて講義の後に、既にのどが渇いている我々を待っていたのは
お待ち兼ねのテイスティングです。 

ここで供されたのは、全て甲州を使った「等々力2011」「藤井2011
クラレーザ2012」「イセハラ2012」の4種類。 

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「等々力」と「藤井」は畑のある場所の地名(小字名)で、位置が違うだけで
土壌もほとんど変わらないとのことなのですが、味はかなり違います

畑の斜度(=日照の角度)や風の通り具合くらいの差くらいしかない
そうですが、こんなに味わいの差が出るというのは驚きでした。
 「等々力」はフルーティでフェノリック、酸が際立っていますが、
「藤井」は酸が穏やかでミネラリーな印象
私は「藤井」の方が好きな味わいでした。

 「クラレーザ」は、こういった「藤井」「等々力」などいくつかの畑のワインを
ブレンドして作られます
ブレンドの比率を決める際には、日本ワイン界の某大御所も参加するとの
ことで、なるほど、とてもバランスの取れた深みのあるワインです。

 「イセハラ」は品薄でなかなか買えないワインとして有名で、
私も実際に味わうのは初めてでした。

上の3種とはまた全く異なり、単一畑「イセハラ」の土壌は砂礫質
製法もシュールリーをせずそのまま瓶詰めするとのこと。

香りにはSBのようなグレープフルーツ香があり、味わいもクリアで
切れの良い酸が感じられる印象的なワインでした。 

テイスティングの後は実際に畑を見学。
甲州、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど各畑を見せていただきました。 

既にヴェレゾン(色付き)が始まっていて、とても可愛らしく感じました。 
ここでもびっくりしたのが葡萄木の仕立て方によって、風通しに大きく影響が
あることです。

                           こちらは「甲州」

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フランスなどに多い垣根(ギョー)と、日本古来の棚仕立てを見せて
もらいましたが、垣根は風がさえぎられて間に入るととても暑いです。
それに対して、棚仕立ては棚の下は風も通ってとても涼しく快適

やはり日本のような高温多湿のところでは、先人たちから受け継いできた
棚仕立てが合うのでしょうね。
甲州はほとんど棚で栽培されているようです。 

                          こちらはメルロ

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それから、少し離れた醸造工場へ。 

想像していたよりもかなり大きな工場で、果汁の圧搾機発酵用の
ステンレスタンクを見せていただきました。 

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最後に、勝沼醸造直営のレストラン「風」でランチを楽しみました。 
もちろん、ワインも。 

まずは、甲州スパークリングの「ブリリャンテ」で乾杯。
このワインは、だいぶ前ですが「神の雫」にも取り上げられたもので、
瓶内二次発酵、20ヶ月熟成という本格的な作り方をしています。
工場での説明の時も、確かドサージュをしていないと聞きました。 

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かなりすっきりとしていて酸も鮮やかな味わいのあるワインで、
サーモンのカルパッチョに素晴らしく合いました。 

メインはローストビーフ、霜降りのサーロイン部分と赤みのもも肉の
2種類を目の前で切り分けてくれます。 
ここで出てきたワインが、なんと甲州樽発酵瓶熟成の「ピッパ2009」
赤ワインではありません。 

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おすすめの食べ方として案内があったのが、霜降り肉はわさびを
たっぷり載せてしょうゆをちょっとつけて食べる、というもの。 

これがまた、ものすごくワインと合います。脂のサシの甘味とわさびの
辛味と刺激をやさしく包み込むような甲州の味わい・・・・
あまりの驚きの美味しさに完全にノックアウト状態でした。 


デザートには、ちゃんと甲州のアイスワインが供されました。
こちらも素晴らしい。 

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一日中、甲州づくしで完全に甲州に対する印象が変わりました。 
名醸地に行って、ワイン造りの歴史や文化を学び、畑を歩き
実際にテイスティングをしながら造り手さんの熱い想いを伺うことができ、
本当にいろいろな意味で刺激を受けた一日でした。

なお、ワイナリー見学やレストラン「風」でのお食事は、予約してから
行かれることをお勧めします

    勝沼醸造株式会社
    甲州市勝沼町下岩崎371
    電話:0553-44-0069


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posted by 煩悩爺 at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイナリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする